賃貸の住居を借りて生活していたころ

 新婚当時は、6畳と4畳半、それに小さなバス、台所がついた小さな賃貸しのアパートで暮らしていた。コンパクトな住居で、まるでおままごとのような生活で、手を伸ばせば何でも間に合うような暮らしは、それはそれで楽しい。 家賃は、まだ給料が低い当時は大きな負担と思えた。毎月数万を払いその上、更新料まで払い、でも、自分の所有とは関係ないのが寂しい。 賃貸しの暮らしから抜け出したいと思うようになるのは、やはり子供が生まれてからだ。荷物も増え、狭い住居は、ますます狭く感じられる。 同じ賃貸しのアパートには私同様、小さな子供を抱えた若い夫婦が何組も入居していて、遊び始めた子供たちは、アパートの階段などで仲良く遊んでいた。ところが学校へあがるころから、一組二組と、新居を購入して、出ていく仲間が増えてきた。自分の城ができたのだ。いいなと、うらやましく、ますます賃貸しのアパートから出ていきたいという願いが募るようになる。 それから、目標ができたので節約や貯金にも熱が入る。家族も皆賃貸しのアパートを出て、自分たちの部屋を欲しがり、犬を飼いたいなどと夢を持つようになる。夢を実現しようと頑張れるときほど楽しい時はない。そして、いよいよ頭金もたまり、新しく家を購入することができた。引越しの日のことは忘れられない。新婚の頃より子供たちが可愛い盛りを過ごした賃貸しの小さなアパート。今思い出すと、夢や目標に向かう楽しさが詰まっていたなと、懐かしく思い出す。

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